実は、木造住宅は構造計算が不要なのはご存知でしょうか?
なぜかというと、建築士が設計する木造2階建ての住宅などは建築基準法の特例により確認申請で構造の審査がないからなのです。
確認申請がおりてるけど、構造が建築基準法に適合しているかどうかは誰もチェックしていない、というケースが有り得るのです。
大手のメーカーさんなども型式認証といって「規格化された形式だからOKですよ」という認定書だけ添付すれば構造の審査は無し。
しかし最近は偽装などによる認証取消なども起こっています。
結構怖くないですか?
95年の阪神大震災以降、日本は地震の活動期に入ったといわれております。
建築基準法の中では「木造2階建て以下の住宅というのは小規模なので構造の審査が無い」ということになっていますが、たくさんの方々が住まれている「家」、木造住宅にこそ確かな耐震性が必要では無いでしょうか。
「注文住宅」は間取り(柱や梁の位置)や外観の形など1軒ずつ違います。ということはもちろん重さや力の伝わり方なども1軒ずつ違います。
アークでは木造住宅も構造計算(許容応力度計算)を行い、安全を確認しています。
木造の仕様規定と許容応力度計算について。
仕様規定とは・・・いわゆる壁量計算です。構造計算ではありません。床面積や外観の形状から必要耐力壁を割り出し、耐力壁をバランス良くレイアウトする方法です。
基礎もスパン表といって、基礎の広さに対して鉄筋はこれだけ、という表があります。
スパン表はこんな感じ。

出典:まもりすまい保険 設計施工基準
許容応力度計算とは・・・長期の固定荷重(自重)や積載荷重・短期の風圧や地震・積雪の荷重に対して建物が倒壊、変形しないように力の流れをチェックし、各材料の強度がそれにもつかどうかを検討する計算です。
計算書目次(だいたい500ページ以上になります。)

古い住宅の様な真四角の田の字の家などは仕様規定でも許容応力度計算でも結果はそう変わらないですが、最近の住宅(木造で広い空間を作ったり、隅に耐力壁が無かったり、1階と2階の間取りがばらばら など)は仕様規定を満たしていても、許容応力度計算ではNGになる箇所があります。
本来、家というのは何世代にもわたって残るものです。
仕上げ材はリフォームやメンテナンスでやり直しが出来ますが、構造はそれは難しいです。
初めにしっかりした構造設計を行うことが大切です。