アークの家 有限会社アークアソシエイツ

瓦の選択

4月より着手していた「神崎の家」屋根葺き替え工事が完了しました。
今回は主に外部の改修をおこないました。2階木製雨戸をアルミ雨戸に取り替えていますが、戸袋を焼き板張りにすることで既設との調和を図っています。
また縁側周りのベンガラを塗替えたことで、数十年目の落ち着いた民家に仕上げることができました。

今回は瓦の選択について少し触れたいと思います。
瓦は大きく分けて、表面に炭素皮膜を蒸着させた「いぶし瓦」と釉薬で化粧した「釉薬瓦(陶器瓦)」とがあり、「性能」・「価格」・「色」等を考慮して使用する瓦を選択することになります。その中で最も大切なのが性能です。
吸水率の少ない瓦は、凍りにくく色変化も少ないため「吸水率=性能」で考えることができます。
JIS規格では、瓦の吸水率を「いぶし瓦<15%以下」、「無彩瓦・釉薬瓦<12%」と規定しており、姫路地域でよく使われている「淡路いぶし瓦」の吸水率は9.8%で、この地域での使用には問題ありませんが、神河町地域では吸水率が6%以下の瓦を選択する必要があります。今回は「いぶし瓦」で仕上げたかったため選択肢としては、「光洋製瓦(姫路市船津町)吸水率4.8%」・「三州瓦 吸水率5.8%」に絞られます。

光洋製瓦は、性能、色共に申し分なく平成の姫路城改修にも利用された瓦です。違いとしては三州瓦の「いぶし銀」は光洋製瓦より少しくすんでいます。手作りと大量生産の差ですが、やはり価格も大きく違うので神崎の家は「三州いぶし瓦」を選択しました。
さらに寒冷地用の瓦としは、石州瓦(吸水率1.78%)・神崎瓦等があります。これらは彩色瓦であるため今回の選択から除外しました。

ちなみに光洋製瓦は大森神社の改修で利用する機会がありました。素晴らしい仕事で納めることができました。民家でも是非利用したい瓦です。

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