家づくりをしていく中で、『決めること』がものすごくたくさんあります。
こっちかなー?でもやっぱりこっちかなー?と楽しんで選べたら良いのですが、決めることが多すぎると結構なストレスになるのかな、と感じています。
もちろん着工までに全部決めて、変更が無いのが準備はすごくスムーズで時間のロスも少ないです。
「契約までに全て決めて承認の印鑑を頂く」などの他の業者さんのやり方も知っています。
でも、それってどうなんだろう?
業者同士なら言った言ってないのトラブル防止でそういう方法もありだけど、一生に一度かもしれない『自分の家』で、お施主様は家づくりは初めてで。
決めないと工事が進められない。でもストレスを感じずに家づくりを楽しんでほしい。
という気持ちなので、私は打ち合わせの時に自分ルールを決めています。
一度にたくさん決めない・関連することは一緒に決める
屋根の色を決めるときに室内の床や建具、設備機器や照明などを一緒に決めるとなると決めることが10個も20個もなって、家に帰ってから『今日いっぱい話したけど何決めたっけ?』ってなると思うのです。
なので、屋根の色を決めるときは外観のイメージ図や参考写真を見ながら、
『今日は屋根の色を決めます。外観で一緒に見えるので、外壁の色もイメージしながら考えていきましょう。
サッシの色や樋・玄関ドア・タイルも後々決めて行かないとなので、外観のイメージするときになんとなく一緒に見てみてくださいね。』
といった感じです。打ち合わせの回数は少し増えますが、ひとつずつバラバラに決めていくより、統一感がでます。
イメージできる状態まで待つ
例えば、新築のお家で窓の大きさで悩んでる時。大きい窓が入るように、梁を大きくして柱を抜いておきます。
そうすると、棟上げのあとに実際の部屋の中からの見え方や、実際の大きさを見ながら決めることができます。
他にも、クロスを決めるのに下地のボードが貼れるまで待ってから打ち合わせしたり、内装が全部できてからカーテンの打ち合わせをしたり。
工事は順番に必要な材料から発注していくので、悩んでることは先に聞いていればできる限りイメージしやすい形ができるまで待ちます。
図面だけではどうしてもイメージしにくいと思うのです。
自分がそのお家に住むなら「これ」
『自分がそのお家に住むならどうするか、何を選ぶか』の答えを持って打ち合わせに行きます。
ただそれは聞かれるまで口にはしません。押し付けのようになってしまうからです。
お施主様に決めて頂くための情報やうんちくはたくさん蓄えてるので、まずはご説明。
次にこういう時にこういう見え方をします、こうする時に使いやすいです、などの生活する上で感じるであろうことの想定のお話。
最後に自分だったらどうする?と聞かれた時、『私ならこういう考えで、これを選ぶと思います』を胸を張って言えるように、真剣に悩んで答えを出しておきます。
世の中に建築関係のお仕事の方はたくさんいるので、どのやり方が正解というのはもちろん無いですが、
ほとんどの方が一生に一度の初めての大きな買い物。
家づくりを信頼して任せて頂けるような建築士を目指して、日々精進です。