壁と天井の取り合いには、一般的に廻り縁という部材が入ります。
納まりを良くする(きれいに見せる)ための部材なのですが、天井と壁が同じ仕上げの時は、入れない方がスッキリ見えるので好きです。
(同じ材料)天井クロスー壁クロスの場合。
天井 板貼り-壁クロスの場合。
板貼は板の目地があるので、廻り縁を入れてクロスの留まりを作ります。
この場合もできるだけ小さい廻り縁にして、存在感を無くしています。
和室だったら、真・草・行といった部屋の雰囲気に合わせて、木だったり竹だったり海布丸太だったり色んなパターンがあります。奥が深すぎるのでそれはまた別の記事で。
ちなみにボードが木に突き付けになるので、貼るときにきれいに削り合わせないといけません。
実は既製品の廻り縁は背が高い事が多く、30~35mmくらい。ボードにすき間があっても隠れてしまうのです。
誰がやってもきれいに納められるようにというい今の時代に合わせた工夫だと思いますが、便利になってきた反面、刻んだり削ったり手道具を使った仕事が出来る職人さんは減ってきたように感じます。
今回、天井に段差を付けて間接照明を設置するのに、廻り縁の留まりがないので天井底目でスッキリ見えるように納めてみました。
木は生きているので動きます。動いたときに木と壁の間にちょっとすき間が出来たりするのですが、底目にしていると影になるので分かりにくいです。
一般的な納まりより手間のかかる仕事ですが、こういった職人さんのひと手間がより一層心地の良い空間をつくってくれるように感じます。