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幅木

前回廻り縁のこと書いたので、今回は幅木。
幅木とは、床と壁の取り合い部分に付ける材料です。業務上、巾木という書き方が一般的ですが、幅木を省略しています。

幅木

畳の時代は壁際に畳寄せが入って、左官の壁が床まで塗られていましたが、現代は壁に掃除機がガンガン当たるので(人によります)、巾木は廻り縁と違って必要です。

畳寄せ

必要なんですけれども、巾木の上ってほこりが溜まるんです。
5mm~10mmくらいの幅木が多いですが、どれだけ薄くてもホコリが溜まります。

入幅木(壁と同面、もしくは凹んでる)という形状だとほこりが溜まらないのですが、材料費と施工費が結構かかります。
ホコリが溜まるのは全ての部屋なので、ひと部屋だけ費用をかけて入幅木にすると、他の部屋もしておけば良かった!という後悔が生まれそうです。
廻り縁だと「玄関やLDKだけこだわってスッキリ見せて他は一般的な方法」でも問題ないのですが、幅木は掃除のたびに気になります。

入り幅木

木以外の幅木だとこんなものがあります。

・ソフト幅木
樹脂製の薄くて柔らかい幅木です。ホコリも溜まりにくく、水にも強く、安価。
強度があまりないので、掃除機が突撃すると壁のボードが傷むことがあります。
個人的に無垢の木とは相性があまり良くないなと思っています。

・アルミ幅木
文字通り、アルミ製の幅木です。素材自体がしっかりしてるので、壁の下部を守ります。
床に先留めして壁を貼りおろしてくるコ型の製品と、I型で壁に貼り付ける製品があります。
それなりに高価です。シャープな雰囲気を醸します。

・タイル幅木
玄関など、床がタイルのときは幅木も同じようにタイルでまわることが多いです。
水がかかったり靴があたったりするので框の段差分にタイルを貼っています。

・幅木無し
壁が板貼や、タイル、固めのパネルの素材の場合は幅木を無しにすることもあります。
その場合は削り合わせて素材同士が沿うように取り付けしないといけないので、職人さんの技術が必要です。

コスト・見た目・機能性を考えた結果、アークの家では一般的に壁より5mm程度出た無垢の木の幅木を一般仕様にしています。壁からの出を薄くする事で、ホコリが溜まりにくくなるように考えています。

ちなみにアークの事務所は洋しっくいの壁で幅木がありません。
見た目はスッキリしてきれいですが掃除機によるダメージが結構あります。なので住宅には幅木はやっぱり必要だと思います。

巷でホコリが付きにくいと話題の『柔軟剤スプレー』ですが、無垢の木には使わないようにしてください。
シミになることがあります、日当たりの良いところは特に。(実体験)

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